角田裕毅は「限界まで攻めるアプローチ」を変えるつもりはない! 得意のハードブレーキングで入賞圏「残り2席」を奪い取る (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

【好走が期待できるサーキット】

「僕に改善の余地があるなら、今後はもっといい仕事ができるということなので、FIAと話をして彼らの考えや説明を聞きたいと思います。それによって僕が何か理解できるかもしれません」

 アグレッシブに限界まで攻めるというアプローチを変えるつもりはない──と断言する角田だが、その一方で「改善できるところがあれば変えますし、そういう気持ちはあります」とも語っている。

 カナダGPの舞台ジル・ビルヌーブ・サーキットはコンクリートウォールに囲まれており、トラックリミットのあり方も、相手へのブロックの仕方も、オーバーテイクの仕掛け方も、通常のサーキットとは異なる。

 ダウンフォースを必要とする中高速コーナーはなく、4本のストレートをシケインやヘアピンでつないだレイアウト。空力特性的にもアルファタウリAT04にとって悪くないはずだ。

 バクーやモナコなどメカニカル性能が重要となる市街地サーキットでもいい走りを見せてきた。路面のバンピーさにも強い。決してオールラウンダーではないAT04でも好走が期待できるサーキットだ。

「ここまでのところバンピーなサーキットでは悪くないですし、モナコでもかなりいいパフォーマンスを発揮できました。なので、今週末に向けて前向きです。先週のシミュレーターでの作業でも満足のいくセットアップ調整作業ができています」

 カナダのようなストップ&ゴーのサーキットでは、ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が得意としていることからもわかるとおり、ブレーキングのうまいドライバーが"違い"を生み出せる。まさに、角田向きのサーキットだと言えるだろう。

 昨年はパワーユニットの投入ペナルティで予選アタックを見送ったため、実力を披露するチャンスすらなかった。だが、今年は光るものを見せておきたいところだ。

 トップ4チーム8台は別格の速さを誇っているため、中団グループとしては9位・10位の「たった2席」の入賞圏を争うことになる。それも、かなりの僅差の争いだ。

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