角田裕毅「開幕戦11位」がポジティブな理由とは...イライラも爆発させずに同僚デ・フリースとの違いを見せた (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

【もっとグリップがほしい】

 Q2の角田は、新品タイヤでアタックできず14位。しかし、Q1のタイムはQ3まで0.273秒差であり、路面の向上を考えれば、新品タイヤがあればQ3進出争いができていたはずだった。つまり、テストの時の手応えは間違ってはいなかったということだ。

 そして、苦しい状況のなかで角田がミスなく、マシンとドライバーの全力を出しきったことが、この結果につながった。

 予選14位という結果を手にすることはできたが、ラップタイムで言えば、アルファタウリは9番手のチームだった。アルピーヌやハースとの差は0.4〜0.5秒と大きく、マクラーレン、アルファロメオ、ウイリアムズの4チームが中団第2グループを僅差で争っている状況だ。

 だからこそ角田はこの状況に満足するのではなく、改善すべき点を指摘した。

「ここまで挽回できたのはよかったです。でも、その前のプロセスとしてギリギリの戦いを強いられたので、もっとその前からペースを見つけて自信を持ってQ1に臨めるようにしたいと思います。

 単純にグリップが足りないという感じです。マシンバランス自体はいいんですけど、もっとコーナリングスピードをキャリーするために、とにかくもっとグリップがほしい」

 決勝は苦しいなかでポイント獲得を目指す戦いになったが、角田はスタートで出遅れて2台のウイリアムズ勢に先行を許してしまった。

 アルファタウリは2台揃って発進加速が鈍く、クラッチの設定かタイヤのウォームアップに問題があった可能性が高い。そのため1周目の競争力が乏しかったのだ。

 ペースは角田のほうが速かった。だが、ロードラッグでストレートが速いウイリアムズをなかなか抜くことができない。

 1回目のピットストップでローガン・サージェントをアンダーカットしたが、アレクサンダー・アルボンが前に立ちはだかる。また、予選で後方に沈んだが純粋な速さがあるアルピーヌのピエール・ガスリーに先行された。だが、アルファタウリは彼とは戦わず、アルボン攻略だけを考えていたとエドルスは説明する。

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