角田裕毅、怒りの接触リタイアは避けられた事故だったのか。「あんな小さいコーナーで入ってくるとは...」 (3ページ目)
10位以内が狙える位置だった
それに対して、角田は通常のライン取りでアウト側からターン6にアプローチしており、インには大きなスペースが空いていた。そこに付け入る隙を与えてしまい、リカルドとしても想定外の角田の動きで接触に至ってしまった。
あの場面では、リカルドに対して明確な「ブロックの意思」を示しておくべきだったかもしれない。そうすれば避けられた事故だった。
これまでルイス・ハミルトンやバルテリ・ボッタスらに対して、コース幅をいっぱいに使った巧みなブロックを見せてきた角田だけに、その技術がないわけではない。全面的な相手のミスとはいえ、ほんのわずかな気の緩みがこのような結果を呼ぶことは、角田にとってもいい学びにしなければならないだろう。
ガスリー離脱後に角田の役割はどう変わる?この記事に関連する写真を見る それでも、ミディアムに履き替えて40周を走らなければならない"プランC"の戦略で、角田は巧みなタイヤマネジメントを見せていた。ちょうど時を同じくしてハードタイヤに履き替えた中団勢が大きくペースを落とし、そこからポジションアップが見えていた。
「戦略としてはかなりうまくいっていたと思いますし、あそこまでタイヤマネジメントをしていたのも今までで一番うまくできていたので、10位以内が狙える位置だったと思います」
結果にはつながらなかったが、成長も多く見えたレース週末だった。
予選では、前戦のアメリカGPに続いてQ3進出が見える位置にいた。今もまだこのポテンシャルを発揮できているのは、シーズン後半戦に入ってもライバル陣営がアップデートを継続しているなかではポジティブな要素だ。
ただし、Q2最後のアタックでコースインするタイミングが遅く、トラフィックに巻き込まれてタイヤをうまく温めることができず、Q3進出は逃してしまった。チームが幾度となく繰り返してきたこうした凡ミスを避けるためにも、ドライバーからチームへのコミュニケーションの見直しは重要だ。
ピエール・ガスリーがアルファタウリを抜ける来季に向けて、先輩ドライバーとして角田の役割はさらに重要になる。
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