レッドブルF1連覇を陰で支えた「レース戦略エンジニア」とは? 彼らは勝つために「40億通り」のシミュレーションを描く (4ページ目)
鈴鹿での戴冠の確率は50%
ライバルチームの戦略予測モデルもシミュレーションに含まれているとはいえ、詳細なシミュレーションは自分たちの2台のマシンに集中している。レッドブルとしては今後、全20台のマシンに対して同じレベルのシミュレーションを行ない、より緻密で正確な戦略シミュレーションを模索しているという。
そのためには、クラウド上の演算能力が今の10倍必要ということになる。だが、自社ファクトリーのコンピュータを使っていれば荒唐無稽なそんな話も、オラクルとの提携があれば俄然現実味を増してくる。
日本GPのレース週末を前に、コートニーは鈴鹿でのフェルスタッペン戴冠の可能性は「50%以上と言っておこうか」と笑った。もちろんあの雨で異例の展開となった決勝を予想してはいなかっただろうが、フェルスタッペンが優勝し、セルジオ・ペレスが2位に入ってタイトルを決めるかどうかはフィニッシュ後に決まったほど。「50%」という数字はかなり現実的なものであったと言える。
レッドブル躍進の原動力であり続けてきたレースストラテジーが、なぜ強いのか? そして、これからさらにどれだけ強くなろうとしているのか? それを知れば、彼らの牙城がそう簡単に揺るがないであろうことがはっきりとわかる。
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