「俺の言うことを聞け!」「俺にゴマするな!」。闘将・星野一義監督の育てた強いカルソニックブルーが帰ってきた!

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

1995年以来の年間王者へ

 一方、チームスタッフもマシンにトラブルが出ないよう、攻めの走りをしながらも対策できることはないかと知恵を絞り、その方法を無線で伝えていた。

 23号車は前述の交錯でペナルティを受けて後退。2番手に上がった12号車はトップを走るナンバー17のAstemo NSX-GTに追いつき、残り3周で逆転して最後尾から奇跡の優勝を果たした。

 最後まで険しい表情だった星野監督だが、12号車がトップでゴールラインを通過すると、一転して満面の笑みを見せた。

「予選で最後尾になって、ドライバーに対する語気も強くなっていたけど、最近なかなかいいニュースを届けられなかったこともあって、なんとか今回はいつも応援してくれているカルソニック(マレリ)にトロフィーをプレゼントしたい......その一心でやっていました。

 決勝では、ドライバーもスタッフも本当によく頑張ってくれた。特にスタッフが育ってきてくれたことで、すばらしいチームになってきたと思います。レース中も何も言わずに見ていられるようになりました。予選のポジションを考えると、4位か5位が精一杯かなと思うところもあって、正直ここまでの結果になるとは想像できなかったです。本当にウチのスタッフ、ドライバーはすごいですよ!」(星野監督)

 ここ数年は不振の続いていたチーム・インパルだが、昨年の第5戦SUGOで5年ぶりの優勝を果たし、今年はここまで3度の表彰台を獲得する快進撃。ドライバーズランキングでも2番手を10ポイント引き離してトップに浮上した。

 かつて、ライバルから恐れられていた「強いカルソニックブルー」が、星野監督が鍛え上げたドライバー、チームスタッフとともに今、蘇ろうとしている。全日本GT選手権時代の1995年以来となるシリーズチャンピオン獲得に、一歩ずつ近づいてきた。

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