2022.06.21

逃げるフェルスタッペン、追うサインツ。攻めから一転、守りとなった好バトルは0.993秒差で決着した

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

 まさしく、王者ここにあり、を地でいくようなレースだった。

 マックス・フェルスタッペンは16周にわたるカルロス・サインツ(フェラーリ)との大接戦を抑え込んで、今季6勝目を挙げた。

「僕らはもう少しレースペースがあると思っていたんだけど、予想以上に苦しいレースだった。決勝での彼らはとても速かったから、セーフティカーは僕らにとって助けにならなかった」

 フェルスタッペンにとって、予選まではトップタイムを記録し続けた週末だった。決勝でもポールポジションからフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)のアタックを退けて首位をキープすると、順調にリードを築いていった。

0.993秒差で先にチェッカードフラッグを切ったフェルスタッペン0.993秒差で先にチェッカードフラッグを切ったフェルスタッペン この記事に関連する写真を見る  しかし、予選まではレッドブルに歯が立たないと思われていたフェラーリのサインツが好ペースを刻み始めた。その一方で、フェルスタッペンはミディアムタイヤにグレイニング(タイヤ表面のゴムめくれ)が発生し始めていた。

 そんな矢先の9周目、セルジオ・ペレスがリタイアしてVSC(バーチャル・セーフティカー)導入。ここでレッドブルはフェルスタッペンを2ストップ作戦に変更して、攻めのレースを選ばせた。

 レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は言う。

「あの時点で計算上、最速の戦略として2ストップ作戦にすることに決めたんだ。しかしカルロス(・サインツ)が1ストップ作戦を選び、我々の2回目は通常のレーシングコンディションでのピットインで(サインツの)9秒ほど後方でコースに戻ることになった。

 そこから追い上げてどんな展開になるのか、非常に興味深いところだった。我々の計算では、残り10周あたりの時点で追いついてオーバーテイクできていたはずだ」

 2ストップ作戦のフェルスタッペンは、サインツよりもフレッシュなタイヤでじわじわと追い上げ、最後は追い着いてコース上で抜き去って勝利を掴み獲る。そんな攻めのレースになるはずだった。