角田裕毅、8位で笑顔なしは成長の表れ。ボッタスを抑え、アロンソを抜き、内容で光った2年目の幕開け (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

アルファタウリの立ち位置は?

 マシンのパフォーマンスとしては、中団グループ上位のハース、アルファロメオのみならず、アルピーヌにもついていくのは難しかった。8位入賞を果たしたとはいえ、角田自身が言うとおり3台のリタイアとセーフティカー導入がなければ、角田は13位だった。ここからフレッシュなタイヤで何台抜いていけるか----。そんな矢先のガスリーのリタイアとセーフティカー導入だった。

「全体的なダウンフォース量がほかのチームと比べて足りなくて、スライドしやすいなというのを感じました。そのせいでタイヤがオーバーヒートしやすかったり、フロントがロックアップしやすくなっているんだと思います。挙動が不規則な部分もありますし、問題はたくさんあります」

ワンツーフィニッシュで開幕戦を制したフェラーリワンツーフィニッシュで開幕戦を制したフェラーリこの記事に関連する写真を見る 現実的にはアストンマーティンやウイリアムズとの争いというのが、今のアルファタウリの立ち位置だ。

「アストンマーティン、ウイリアムズあたりとの争いだと思います。コンストラクターズ選手権でいうと8位争いあたりになると思いますが、間違いなく厳しい状況です。でも、まだシーズンは22戦ありますし、まだまだクルマの開発も進んでいきます。

 今週末にも多くのデータを収集することができましたし、マシンを改善するためのアイデアもあります。なので、シーズンを通してマシンの改善を進めて、常に6位や7位争いができるように、チームとしてランキング5位争いができるようにしていきたいと思います」

 そんななかでもしっかりと最後までポジションを守って生き残ったからこその8位入賞。結果はマシンの改善が進めば着いてくる。苦境のなかでドライバーにできるのは、常に自分自身とマシンのパフォーマンスを最大限に引き出すことだけだ。

 角田裕毅は開幕戦バーレーンGPでしっかりと2年目の成長を見せた。結果ではなく、内容で。それを続けていければ、やがて光明は見えてくるはずだ。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る