ホンダF1、活動終了まで残り3戦。フェルスタッペンと角田裕毅に課せられた使命 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

 しかしフェルスタッペンは、そのことに気を取られることなく目の前のレースに集中したいと語った。

「僕はコクピットでドライブしていたんだから、何が起きたかは知っているし、映像を見る必要なんてないよ(笑)。正直言って、僕はあまりそのことについて考えてはいない。ドライバーにできることはないし、コース上でのことに集中するだけだ」

 必死にブレーキングを遅らせてハミルトンのインに飛び込んだものの、タイヤの性能低下で曲がりきれずコース外まで膨らんでしまったと、フェルスタッペンは弁明している。

「僕らはハードにバトルをして、2台ともものすごくブレーキングを遅らせ、コーナーを曲がりきれなかった。僕はコントロールラインの時点でタイヤがすごくタレていたから、もっと左にターンインしようとしたらスピンオフしていただろう。ドライバーだから(スピンしないようステアリングを左に切らず)マシンをコントロールしようとするのは当然のことだよ」

 しかし、意図的であろうとなかろうと、本来曲がりきれるはずのないブレーキングでアウト側からターンインし始めていたハミルトンを押し出したことは、ペナルティの対象となり得る。曲がりきれるブレーキングをしていればインに飛び込むこと自体ができず、ハミルトンが譲らなければ接触するような強引なドライビングで無理矢理ポジションを奪ったとも言えるからだ。

 ブラジルでランス・ストロール(アストンマーティン)と接触し、ペナルティを科された角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)にも同じことが言える。

「車載映像を何度も見ましたが、僕はまったくロックアップはしていませんでしたし、大きくイン側の縁石に乗って可能なかぎり避けていて、あれ以上はスペースがありませんでした。アストンマーティン(ストロール)が普通のラインで走るようにドアを閉めてきて接触したんです。なので今も、まだあのインシデントは自分のミスだとはまったく思っていません」

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