スバルが強いのはWRCだけじゃない。スーパーGTで初の年間王者なるか
モータースポーツの世界で『スバル』と聞くと、WRC(世界ラリー選手権)での活躍を連想する人も少なくないだろう。
1990年代半ばにスバル・インプレッサで大活躍し、1995年から1997年まで3年連続でマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得。2001年にはリチャード・バーンズ、2003年にはペター・ソルベルグがドライバーズタイトルを手にした。
今季のGT300クラスで快進撃を見せるスバルBRZこの記事に関連する写真を見る そのWRCでの活動は、2008年いっぱいでワークス参戦終了となった。だが、現在もスバルのクルマは国内外のラリーやサーキットレースで活躍を見せている。そのなかで今シーズン、特に注目が集まっているのが、スーパーGTのGT300クラスに参戦するSUBARU BRZ R&D SPORT(ナンバー61)だ。
スーパーGTの前身である全日本GT選手権の頃から、スバルのマシンはGT300クラスで活躍している。マシンはインプレッサやレガシィB4といった、当時のスバルを代表する車両がベースだった。
2012年、R&D SPORTは参戦車両をBRZに変更し、2014年には井口卓人、2015年には山内英輝と勢いに乗る若手ドライバーを獲得。シリーズチャンピオン獲得を目標に果敢に攻めていった。
しかし、優勝や表彰台を獲得するレースもあったが、トラブルに見舞われることも少なくなく、チャンピオン争いに絡めないシーズンが続いた。力強い意気込みとは対照的に、結果を残せず悔しい表情でサーキットをあとにするドライバーの姿を何度も見てきた。
そんななかで迎えた2021シーズン。スバルは今年フルモデルチェンジされた新型のBRZをベースに、新しいマシンを開発した。
外観は市販の新型BRZを連想させるものだが、昨年までのものとは明らかに違う。中身に関しては今までのレースで蓄積したものをすべて盛り込んだ。2015年からパートナーを組んでいるダンロップとのタイヤ開発も着実に進め、開幕前のテストからライバルが警戒するような走りを見せた。
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