レッドブル・ホンダは苦手モンツァで勝利なるか。角田裕毅はF3時に優勝も超高速サ-キットをどう攻める? (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

「超高速サーキットですが、パワーユニット側の性能だけでなく、シケインなどもありブレーキングとマシンバランス、ハンドリングも重要なサーキットです。そのなかで今年から導入されたスプリント予選が実施されるということで、FP1できちんとセッティングを煮詰めて持てるハードウェアの実力を最大限に発揮して、予選、スプリント予選、決勝に向かわなければなりません」

 ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターはこう説明する。

 マシン側で最高速とコーナリング性能のせめぎ合いをすれば、それによってストレートでの空気抵抗もスロットル全開率も変わり、パワーユニットのセットアップも変更を要求される。回生できるエネルギー量と、使いたいエネルギー量が大きく違ってくるからだ。

 それに加えて、今週末は第10戦イギリスGPに続いて史上2度目となるスプリント予選方式が導入される。

 決勝の3分の1にあたる18周の予選レースが土曜日に行なわれ、タイムアタックによる予選は金曜の夕刻に行なわれる。予選後は基本セットアップを変更することができず、つまり60分間のフリー走行のみでセッティングを決めなければならない。

 アルファタウリ・ホンダの角田裕毅にとって、モンツァはFIA-F2とFIA-F3で走り慣れたサーキットであり、後者では勝利も収めている験のいいサーキットだ。しかしF1となれば話は別で、本来ならば3回のフリー走行で走り込んでから予選に臨みたいところだった。

「スプリント予選自体はいいフォーマットだと思いますし、今回はオーバーテイクが多く見られるのかDRS(※)トレインで抜けないのかわかりませんが、エキサイティングなフォーマットであることは確かなので、楽しみにしています。

※DRS=Drag Reduction Systemの略。追い抜きをしやすくなるドラッグ削減システム/ダウンフォース抑制システム。

 しかし、今はできるだけ多くの周回を走り込みたいと思っていますので、もう少しマシンやサーキットのことを学び、モンツァでF1マシンがどんな挙動を示すのかを知りたい気持ちのほうが強いですね。F2やF3ではたくさん走ってきましたが、F1がどんな挙動なのかは学ぶ必要がありますから」

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