日本人F1カメラマンが見た超一流ドライバーの素顔。レースで本当にすごいと思うのは誰か (5ページ目)

  • 川原田 剛●文 text by Kawarada Tsuyoshi

熱田 トップの2台が競り合って、接触しながらチェッカーフラッグを受けるという、漫画みたいなシーンが撮れたらうれしいですね(笑)。その直後に角田選手がゴールに飛び込んで来たら最高ですね。でも決して夢物語ではないと思います。ハンガリーGPでエステバン・オコン(アルピーヌ)が優勝しているんですから、角田選手が勝つ可能性はゼロではありません。

桜井 アルピーヌでも勝てたので、チャンスは絶対にあるはず。前半戦でも表彰台を狙える機会はアゼルバイジャンGPとハンガリーGPの2回はあったと思います。ハンガリーGPでは序盤に一時4位につけていました。そういう荒れたレースでチャンスをしっかりとつかんでほしい。セバスチャン・ベッテルがトロロッソで初優勝したのは土砂降りの2008年イタリアGPだったし、当時ウイリアムズのランス・ストロールの初表彰台もクラッシュが続出した2017年のアゼルバイジャンGP。そういう時にチャンスをものにしたドライバーが今でもF1の世界で生き残っているんです。

熱田 とにかく今シーズンは僕たちが30年以上、F1を取材してきて、一番面白いと思います。これから本格化するチャンピオン争いを楽しんで、日本でももっと盛り上がってほしいですね。

(終わり)

【profile】 
熱田 護 あつた・まもる 
1963年、三重県鈴鹿市生まれ。2輪の世界GPを転戦した後、1991年よりフリーカメラマンとしてF1の撮影を開始。取材500戦を超える日本を代表するF1カメラマンのひとり。自身の誕生日の9月28日に、ラストイヤーを迎えたホンダF1の戦いをまとめた2022年カレンダー『Honda Last Battle』(インプレス刊)を発売する。

桜井淳雄 さくらい・あつお 
1968年、三重県津市生まれ。1991年の日本GPよりF1の撮影を開始。これまでに400戦以上を取材し、F1やフェラーリの公式フォトグラファーも務める。新型コロナの影響で昨シーズンの現場での取材を断念したが、今季からは再開。現在、鈴鹿サーキットの公式サイトで特別企画「写真で振り返る2021年シーズン」を連載中。

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