速すぎて、強すぎて、つまらない。レッドブル・ホンダ4連勝にハミルトンも脱帽 (3ページ目)
「ミスのない週末を過ごす」課題はクリアした角田裕毅だが...この記事に関連する写真を見る とはいえ、11番グリッドに下がったことはフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)やランス・ストロール(アストンマーティン)、ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)の後方でレースをすることを意味し、角田にとっては忍耐のレースになった。
先にピットストップをしてアンダーカットを狙ったもののうまくいかず、レース後半もアロンソのテールを見続ける展開になった。
チームはミディアムタイヤのまま引っ張るカルロス・サインツ(フェラーリ)に抜かれまいとプッシュを指示したが、前のアロンソに抑え込まれるかたちでペースは上げられず、タイヤだけが消耗していく。そしてピットアウトしてきたサインツには前に行かれ、1周目のピットストップから追い上げてきたシャルル・ルクレール(フェラーリ)にも抜かれた。
「タイヤがもうない! アロンソがいて速く走れないのに無駄にプッシュしただけ! 無線には答えなくていい!」
レースはまだ15周も残っていたが、角田は怒りを爆発させてエンジニアに言った。
リアタイヤはタレて低速コーナー立ち上がりのトラクションが乏しくなり、中高速コーナーでアンダーステアが出るなどフロントタイヤも決してよくはない。
さすがにひとりではレースができないと悟った角田は、5周ほどしてエンジニアに情報を求めた。待ち受けていたようにエンジニアはデフやブレーキバランスの設定、オーバーテイクボタンの使い方などを次々と伝えた。
「アロンソを抜けると思う!」
角田はそう言ったものの、アロンソも巧みにペースを切り替えて0.657秒差で抑えきった。
ミスなく3日間を戦い抜いた点は合格点。しかし、だからこそ決勝でのタイヤマネジメントやカギとなる場面でのプッシュについての課題が見え、そして予選での不用意なペナルティがレースに与える影響の大きさにも気づかされた。
「今週は(予選の)3グリッド降格ペナルティ以外はミスがありませんでしたし、先週に比べていいステップになったと思います。でも、可能性としては8位か9位でフィニッシュするチャンスはあったと思います。いくつか無線コミュニケーションで誤解があり、そのせいでレース終盤が苦しくなってしまったので、これからデータなどを分析して来週に向けて改善していかなければならないと思います」
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