元SKE48梅本まどかの今。コ・ドライバーとしてラリー世界選手権出場へ (5ページ目)
その時、F1の雑誌の仕事もしていましたが、グループをやめると何もできなくなっちゃうのかな、という不安がありました。でも雑誌の担当の方が「卒業したらもっといろいろやろうよ」と言ってくれて。自分がやってみたかったことをいろいろと提案し、クルマやバイクでサーキットのタイムアタックをさせてもらったり、レースをサポートしたり、どんどん活動の場が増えていきました!
ーーしかし、モータースポーツを「見る側」から「やる側」になると、また違った一面が見えてくるのではないですか?
梅本 そうですね。競技をするのは楽しいですが、それだけではありませんね。モータースポーツの裏側では、多くの人や企業が関わり、たくさんのお金、人、モノが動いています。お金が絡んだ複雑な人間関係などもあって、いろんなことが起こります。まさに世の中の仕組みがすべて凝縮されていると言っていいと思います。私も最近、モータースポーツ界の「しがらみ」というものを初めて体験しました(笑)。その時にドライバーの皆さんは大変なんだと実感しましたが、だからこそ面白いんですよね。
例えば、お金やいいクルマを持っているドライバーやチームが強いですし、力関係がはっきりとしています。それでも全力で頑張っていると、時々、思わぬ大逆転があります。それに、お金があるからといって怠けていたらあっという間に落ちていくのがモータースポーツの世界。強いチームの選手はそういったプレッシャーとも戦いながら、コース上ではリアルな勝負を繰り広げます。その生々しいところが面白いですね。
ーーついに、ファンの時には知ることのなかったモータースポーツの世界に一歩足を踏みいれたんですね。
梅本 「これがモータースポーツか!」という感じで。大変なこともありますが、知ることができて面白かったですし、いい経験になりました。
(後編へつづく)
【profile】
梅本まどか うめもと・まどか
1992年7月17日、愛知県生まれ。2010年にSKE48の第4期生としてデビュー。16年に卒業し、現在は地元の名古屋を拠点にタレント活動をしながら、バイクや自動車のメディアを中心に活躍。ラリーには18年、「TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジ」にてコ・ドライバーとして出場し、参戦初年度にC-1クラスでチャンピオンに輝く。19年から、国内最高峰の全日本ラリー選手権にドライバーの板倉麻美とのコンビで参戦中。
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