2020.11.10

「女には無理」と言われた悔しさをエネルギーに。粟野如月は最高峰を目指す

  • 川原田剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 能登直●写真 photo by Noto Sunao(a presto) 磯貝琢哉●動画 video by Isogai Takuya

速く、美しく、挑戦し続ける女性ドライバーたち 
第3回 粟野如月 

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近年、世界のモータースポーツを統括する国際自動車連盟(FIA)や自動車メーカーが若手女性ドライバーの育成・発掘に力を入れ始めた。いまだ男性中心の競技ではあるが、サーキットレース、ラリー、ドリフトなどで活躍する女性ドライバーは増加傾向だ。そこで、国内外のさまざまなカテゴリーで挑戦を続ける日本の女性ドライバーにインタビューした。

第3回は、ドリフトドライバーの粟野如月。「子どもの頃から人に夢や笑顔を与えられるエンターテイナーに憧れていた」と語る粟野は現在、D1ライツ選手権に参戦し、競技における最高峰のD1グランプリを目指している。国内だけでなく、海外のイベントにも積極的に参加し、注目を集める"ドリフトクイーン"に熱い思いを語ってもらった。



D1グランプリを目指すドリフトドライバーの粟野如月 
私がモータースポーツに興味を持ったきっかけは、佐藤琢磨さんでした。高校時代のある週末、自分の部屋で何気なくテレビを見ていたら、F1の中継が始まりました。当時ちょうど、佐藤琢磨さんがF1にデビューしたばかりでしたが、「日本人が世界のトップカテゴリーで活躍しているんだ。すごい!」と思ったんです。

 それからは、グランプリが開催される度にF1をテレビで見るようになりました。最初はルールなどがわからなかったけど、だんだんハマっていき、スポーツ新聞やレース雑誌を買うようになりました。生でレースを観戦したい一心で、ひとりで夜行バスに乗って、鈴鹿サーキットへ行きました。

 将来、何かクルマに関わる仕事がしたいと思って、整備士の専門学校を見学しに行ったこともありました。当時はそれぐらいしかクルマの仕事が思いつかなかったんです。でも、小さい頃から歌手になりたいという夢もあったので、結局は音楽の専門学校に進みました。