ホンダF1撤退発表の余波。フェルスタッペン、ガスリーの思いは (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by Boozy

「予報ではひとケタ台の気温が出ていますので、かなり低いと思います。ですから、パワーユニット側も油水温や各ユニットの温度など、低い側にも作動条件のリミットはありますので、そこを下回らないようにクーリング設定を行ないます。路面温度も10度台にしか上がらない予報が出ているので(対応するのは)かなり難しいんじゃないかと思います」

 ホンダ陣営にとっては2021年かぎりでの活動終了を知らされてから初のレースとなるだけに、複雑な思いもある。

 マックス・フェルスタッペンはレッドブル、そしてホンダとともにチャンピオンを目指すという目標を持って長期契約にサインしただけに、その動向に注目が集まった。

 しかし、フェルスタッペンはホンダの企業としての決断に一定の理解を示し、まずは残されたレースを全力で戦うだけだと語った。

「残念だよ。でも、彼らがそう決めた理由も理解できる。僕らはとにかくプッシュし続けるしかないし、彼らもそう言っている。もちろん、彼らは来年末で去っていくけど、だからといって今ここでバックオフするような人たちではない。

 僕らの間にはすばらしい関係性があるから、一緒に努力し続けていくし、彼らとともに戦うことはとても楽しい。今シーズン残りの7戦も、来年も、新しいエンジンを投入してプッシュし続けていくよ。最後の最後までプッシュし続け、そしてすばらしい結末へとつなげることを、とても楽しみにしている」

◆「ピエール・ガスリー、表彰台の中央で亡き友に捧げる」はこちら>>

 4人のドライバーのなかで最もホンダとの付き合いが長く、2018年のバーレーンGPでの4位獲得、2019年のブラジルGPでの表彰台獲得やイタリアGPでの初優勝など、ホンダとともにF1キャリアを歩んできたピエール・ガスリーは、悲しさをにじませた。

「このニュースを知った時は、とても悲しかったよ。ホンダとは2017年にスーパーフォーミュラに参戦した時から長い関係を築いてきたし、とても勤勉で献身的なホンダの人たちと仕事をするのがとても楽しかったからね。

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