2020.09.21

大混戦MotoGPはシーズン折り返し。「土曜に速いライダー」が汚名返上

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●写真 photo by Takeuchi Hidenobu

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MotoGP第8戦で優勝したマーベリック・ビニャーレス  
 MotoGPはシーズン第8戦を終え、7戦のレースで異なる6人の優勝者が出た。9月20日に決勝レースが行なわれたエミリアロマーニャGPは、内容・結果ともに、波瀾に満ちた今年のシーズン展開を象徴するレースになった。

 先週の第7戦サンマリノGPに続き、第8戦はミザノワールドサーキット・マルコ・シモンチェリで開催された。今年のMotoGPはさまざまな点で例年と異なる様相を呈しており、シーズンを語る際には枕詞のように「ストレンジ」「クレイジー」「ビザール」という形容が必ず用いられる。そもそも冒頭の書き出し、「シーズン第8戦を終え、7戦のレース」というところからして、数字の計算があわない奇妙な文章だ。

 これは周知のとおり、開幕戦のカタールGPではMotoGPクラスが、新型コロナウイルス蔓延の影響でキャンセルになったことに起因する。そのために、今年のMotoGPクラスは中小排気量のMoto2・Moto3と比べると、開催レース数がシーズンの大会数よりも1戦少ない計算になっている。

 その2020年7戦目で今季6人目の初優勝者となったのは、マーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)だ。シーズンが再開した7月半ば、MotoGPクラスにとっては今季最初の戦いになった2連戦をファビオ・クアルタラロ(ペトロナスヤマハSRT)が連勝して以来、毎戦入れ替わり立ち替わり、異なる選手が優勝してきた。その7選手のうち、クアルタラロを含む4名がMotoGP初優勝という事実もなかなかに尋常なことではないが、今回優勝したビニャーレスは、昨年終盤の第18戦マレーシアGP(11月3日決勝)以来、10カ月ぶりの勝利になる。

 ビニャーレスは、土曜の予選でポールポジションを獲得。日曜の決勝では独走優勝を達成......と書くと、レースウィークを彼が完全に支配していたようにも見えてしまう。だが、事実は決してそうではない。