レッドブル・ホンダ、唯一の光明。
「予選でメルセデスと0.5秒差なら...」

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by Boozy

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 得意なはずだったハンガロリンクでの惨敗は、レッドブル・ホンダに大きな衝撃を与えた。

 RB16がハンドリングに重大な問題を抱えていることは、もはや誰の目にも明らかだった。あれから1週間半。今週末のイギリスGPで問題が解決できるとは、レッドブル陣営も思ってはいない。

マシン挙動に問題を抱えるレッドブル・ホンダマシン挙動に問題を抱えるレッドブル・ホンダ 風洞やCFD(電子風洞)と実走の誤差がどこにあるのかを究明するため、イギリスGPの金曜フリー走行2回をフルに使って様々なテストを行なったという。開幕2戦で付けたり外したりしていた新型ノーズも再び実走で付くかもしれない。

 端的に言えば、そのくらいまだ手探りの状態だということだ。マックス・フェルスタッペンはこう語る。

「僕らはまだこのクルマのことを学んでいる途中で、たくさんの新しいパーツも持ち込んでいる。いろんなパーツがそれぞれどう機能するのか、機能しないのか、どこを改良することができるのか、そういったことを学んでいる最中なんだ。

 だから、1週間でパッと解決できるようなものではない。解決するには、もう少し時間が必要だ」

 低速から高速まで様々なコーナーが存在していたハンガロリンクでは、マシン挙動の不安定さが目立った。同じ場所で同じように不安定なら、まだドライバーは対処ができる。しかしRB16が抱える問題は、突発的な挙動がいつどこで出るかわからないという。

「(常に問題があるわけではなく)時々マシンの挙動が予想できなくなる時がある。それがあらゆるところで起こり得るんだ。低速コーナーでも、その症状が起きれば挙動を修正することは難しくなる。それがちょっとトリッキーなんだ」(フェルスタッペン)

「どこかひとつの箇所ではなくて、いろんな速度域のコーナーでもっと一貫した挙動にしなければならない。なんとかそうしようと努力しているところだよ」(アレクサンダー・アルボン)

 そして開幕からペースが上がらないアルボンのレースエンジニアには、昨年から昇格したマイク・ラグに代えて、ダニエル・リカルド時代にレースエンジニアを務めていたサイモン・レニーを現場に復帰させることを決めた。

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