2020.07.30

不屈のホルヘ・ロレンソ、ロッシと一触即発。MotoGPでも大暴れ

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

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MotoGP最速ライダーの軌跡
(4)
ホルヘ・ロレンソ 中

世界中のファンを感動と興奮の渦に巻き込んできた二輪ロードレース界。この連載では、MotoGP歴代チャンピオンや印象深い21世紀の名ライダーの足跡を当時のエピソードを交えながら振り返っていく。 4人目は、ホルヘ・ロレンソ。向こう気と愛嬌をもち、人間味あふれる王者の歩みをたどっていく。

 ホルヘ・ロレンソが2008年に最高峰のMotoGPクラスへステップアップしたことは、ゴシップ好きな欧州レースメディアにさまざまな話題を提供した。

2008年、開幕戦カタールGPでMotoGP初表彰台を獲得したホルヘ・ロレンソ 06年と07年の2シーズンに中排気量250ccクラスを圧倒的な勝利数で連覇した事実は、最高峰の昇格に十分過ぎる実績で、誰にも否やはなかった。注目を集めたのは、ロレンソが所属を決めたヤマハファクトリーチームには、MotoGP界の生ける伝説、バレンティーノ・ロッシがいることだった。

 スーパースターのロッシは、一挙手一投足が大きな注目を集め、その発言は大きな影響力をもつ。また、彼は時々のライバルに対して強烈な闘争心を掻き立てることで、己のモチベーションを高く保つ傾向も広く知られている。

 08年当時のロッシは29歳。最高峰クラス9年目のシーズンで、体力・知力・経験の全てが、いわば脂ののりきった絶頂期だった。一方のロレンソは、中排気量クラスを連覇してこれから最高峰へデビューしようという21歳の若者である。