ホンダのNSX-GTが伝統を捨て変身。ミッドシップ→FRでその影響は? (4ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu


 ちなみに2019年は、他社の2台と比べて29kg重かった(レクサスLC500と日産GT-Rが最低重量1020kgに対し、ホンダNSX-GTは1049kg)。また、その追加バラスト(重り)はGTアソシエイションが指定した位置に搭載しなければいけないルールが設けられていた。

 このハンデの設定についても、具体的にどの数値が適切なのか、その判断は難しく、関係者間でもかなり議論が行なわれたという噂だ。しかし、NSX-GTも2020年からFR化することで条件は全社同じとなり、イコールコンディションでの勝負が実現する。

 実際、マシンの開発陣にとっても"腕の見せどころ"と言わんばかりに、気合いが入っている様子だ。昨年から新型マシンの開発テストを担当する山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)は、シーズンオフの開発状況をこのように語った。

「今までは、ミッドシップだったがゆえに言い訳したり、逃げてきた部分が少なからずあったと思います。クルマのキャラクターに関しても、『エンジンの搭載位置が影響していたのかな?』と思っていた部分もありました。でも、実際にはそうじゃなかったんです。FRになった今でも、ミッドシップの頃と変わらない部分がありました。

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