F1開幕戦の中止はなぜギリギリの決断になったのか?
「自信はあるよ。とてもワクワクしているんだ」
開幕戦オーストラリアGPを目前に控えた木曜日、レッドブル・ホンダのテクニカルディレクターを務めるピエール・ヴァシェは、そう言って笑顔を見せた。
コロナウイルスの影響により、パドックは閑散としていた メルセデスAMGと優勝争いができるかどうかは、実際に走ってみるまでわからない――。そう言いながらも、その表情からはかなりの自信がうかがえた。
「マシンは去年型よりもスタビリティ(安定性)が向上していて、非常にいい仕上がりだ。昨年型マシンで我々が抱えていた、ある一定のコンディションでスタビリティが欠ける問題を解決することができた。中速域での空力性能とスタビリティも完全に改善できている。人はあれこれ言っているようだけど、そんな問題はまったくないよ」
テストでは後半にレースシミュレーションを行なっておらず、ライバルとの直接比較は行なっていない。しかし、自分たちの燃料搭載量はわかっているので、最終日に記録したベストタイムから自分たちの実力の高さは把握できているのだろう。
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