F1開幕戦の中止はなぜ
ギリギリの決断になったのか? (8ページ目)
しかし、大勢の人を命の危険にさらしてまで開催を決行しようとするのではなく、オーストラリアGPも最初から開催延期を考慮しておくべきだったのではないだろうか。
ホンダの山本雅史マネージングディレクターは、中止の決定を受けてこう語った。
「お客様も楽しみにしていたと思いますし、僕としても今まで関わってきた5年間で開幕前テストが一番順調だったし、開幕は気持ちよく迎えたかった。
でも、これだけ世界中で(新型コロナウイルスに対する)いろんな話があるなかで、ホンダとしても、ファンのみなさんやエントラントのみなさんの安全と健康を第一に考えて自粛すべきではないかと考えていました。国をまたいで開催されているF1だけに、すごく難しい決断だったと思うけど、正しい決断だったと思うし、ホンダとしてはFIAやFOMの意見を尊重します」
日本のファンとしても、2020年のF1が華やかなシーズンのスタートを切る様子、レッドブル・ホンダがメルボルンで好走する姿を見たかったはずだが、その場にいるすべての人の安全が保証できないのであれば、開催は断行すべきではない。
もちろん、各チームのファクトリーやHRD Sakuraなどパワーユニット拠点では、これからも開発が続けられる。
またグランプリが走り出せる日まで、今はしばらくの辛抱が必要な時だ。
8 / 8