相性◎。レッドブル・ホンダは
シンガポールGPで是が非でも勝ちたい (2ページ目)
低回転域からの加速を多用する低速サーキットであるため、パワーユニットのドライバビリティは非常に重要になる。
ICE(内燃機関エンジン)そのものの燃焼特性から、ホンダのドライバビリティはスムーズな素性を持つとされる。車体側の運動性能が向上するに従って、ドライバーたちはアグレッシブにスロットルを踏むことができるようになった。
ただその結果として、スロットル追従性が不十分であると感じられたり、ERS(エネルギー回生システム)によるアシスト量が足りなくなったり、イタリアGPで起きたように縁石の段差でタイヤが空転していてもスロットルを全開で踏み続けてFIAの制御機構が働いてパワーを抑え込まれたり、といったことが起きた。
そのように進化したRB15で挑む初めての市街地サーキットだけに、シンガポールでも予想外のことが起きる可能性がないわけでもない。しかし、ホンダもしっかりとそれに対して準備は整えてきている。
「低回転側でタイヤのグリップが低いという偏ったシチュエーションで(問題が)出やすいのは何度もあったように、ここでも出やすいでしょうね。ただ、手は打っていますし、今回も手を尽くしてスタートします。(問題が)出なきゃ出ないでいいですけど、手を当てなければいけないことがあれば、何かをトライしていくと思います」
シンガポールのマリナーベイ市街地サーキットはセーフティカーの出動率が100%で、荒れたレースになりやすい反面、コース上での追い抜きが非常に難しいため、予選のポジションが重要となる。
過去11回のうち8回はポールトゥウインであり、メルセデスAMGが最多の5勝を挙げている。今年もタイヤのデグラデーション(性能低下)や磨耗が少なく、1ストップ作戦がほぼ確実。逆転のチャンスはほとんどないため、それは明らかだ。
だからこそフェルスタッペンは、「予選までにすべてを完璧にまとめ上げること」を必要条件として挙げたのだ。それは、イタリアGPやイギリスGPの予選で初めて全開のドライビングでフルアタックした時、パワーユニットが予想外の反応を示す事態が起きたからでもある。
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