ホンダとトロロッソの清く情熱的な関係。クビアトの表彰台に思わず涙 (4ページ目)
オーストリアGPの初優勝時に田辺豊治テクニカルディレクターがトロロッソへの感謝の念を述べていたのは、そんな背景があったからだ。今回の表彰台獲得は、レッドブルの優勝よりもうれしいと述べた。
「去年、トロロッソとタッグを始めて、いろいろ準備をしてレースで学び、一緒に成長させてもらった。それがなければ、レッドブルとの関係もなかったと思っています。そういう意味では、マックスの優勝もうれしいですが、それにまったく劣らないか同等以上にトロロッソの表彰台はうれしかったです」
そしてトロロッソ側もまた、ホンダを信頼し、感謝の念を抱いている。
レッドブルと組むことでホンダはさらに成長し、その成長がトロロッソに恩恵をもたらしてくれる。常々そう言い続けてきたトスト代表の言葉どおりになった。
チームにとって実に11年ぶりの表彰台を獲得した直後だというのに、トスト代表の口から飛び出してきたのは、ホンダへの感謝と賞賛の言葉だった。それも、日本語で。
「この表彰台はチームが大きく前進していることを証明するものだが、その中心的な役割を果たしたのはホンダパワーだ。そのパワーが我々に大きな前進をもたらしてくれたんだ。
この2年間、ホンダとともに進めてきたプログラムは非常に順調に進んでいるし、最初にタッグを組んだ時点で私はホンダの人たちに、『2019年には勝ちますよ』と約束した。もちろん、トロロッソとではなくレッドブルでの勝利だが、我々としてもこうして表彰台を獲得できたことは非常にうれしい。ドウモ、アリガトウゴザイマス、ジャポーネ!」
互いに信頼し合い、互いに高め合い、互いに感謝し合う――。
レッドブルとホンダの関係とはまた違った次元で、トロロッソとホンダはこのうえなく、すばらしい関係を築き上げている。「トロロッソがいたからホンダはここまで来られた」と言う田辺テクニカルディレクターの言葉は、まさに嘘偽りのない真実だ。そしてトロロッソもまた、11年ぶりの表彰台を獲得し、ホンダのおかげでチームとして次のステップに進もうとしている。
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