2019.07.30

レッドブル・ホンダ、2勝目。
この強さは幸運でも偶然でもない!

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 レッドブル・ホンダが、またしても勝った。トロロッソ・ホンダも3位表彰台に上がり、一時はホンダのワンツーフィニッシュもあるか、という夢のような展開だった。

 オーストリアGPで勝った時は、暑さを味方につけての勝利だった。そして今回は、雨を味方につけてのダブル表彰台だった。

今季2勝目をマークしたフェルスタッペンと記念撮影「ものすごくトリッキーなコンディションで、集中力の要求されるレースだったし、ミスが許されない状況だった。レース後の今だから、『あの360度ターン(スピン)は観客のみんなのためだよ』と言えるけど、あの時はミディアムタイヤでものすごくグリップが低く、かなりトリッキーだったから。

 とにかく今日は、僕とチームの間での情報のやりとりがものすごく重要だった。正しい決断を下したからこそ、この勝利を掴むことができたと思う」(マックス・フェルスタッペン)

 ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)、バルテリ・ボッタス(メルセデスAMG)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、ピエール・ガスリー(レッドブル)らがミスで上位から姿を消していくなか、フェルスタッペンとレッドブルだけがミスを犯さずにコース上にとどまり続け、コンディションが変わるたびに正しいタイミングで正しいタイヤに履き替えていった。

 世間では広く、「ウェットコンディションでは車体性能差が縮まり、ドライバーの腕が出やすくなる」と信じられている。

 その意味において、フェルスタッペンがトリッキーなコンディションのなか、誰よりも優れたドライビングとタイヤ選択の決断をしたことはたしかだ。ドイツGP優勝の最も大きな要因がそれであったことは間違いない。

 しかし、ウェットコンディションで車体性能差が縮まる、というのは間違いだ。パワー差が帳消しになるのは事実だが、低グリップで難しい路面状況になればなるほど、空力性能とメカニカル性能の優れたマシンのほうがドライブしやすく、実質的な車体性能差が広がることさえあるのが、今のF1の常識だ。