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レッドブル・ホンダは本当に2番手か。
バーレーンで真の実力がわかる (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 非力なルノー製パワーユニットに合わせて、ダウンフォースを減らしてでも空気抵抗を削って空力効率を追究するのが、これまでのレッドブルのマシン作りだった。だがパワー差が小さくなったことで、さらにダウンフォースを増していかなければならない。そのパワー差は、小さいながらも確実に存在する。重箱の隅を突くような接戦の中でトップを争う上では、こうした小さな差の積み重ねが効いてくる。

「今までと比べて、いいウインドウ(差)の中に入ることができているけど、まだ2強チームと同等レベルとは言わないよ。フェラーリを抜いたとはいえ、かなりトウ(スリップストリーム)に入っていたし、DRS(※)を使ってもいた。予選では全体的にパワーや最高速でまだ少し差があったし、彼らに追いつくためにはもっとハードワークが必要だ」(フェルスタッペン)


※DRS=Drag Reduction Systemの略。追い抜きをしやすくなるドラッグ削減システム/ダウンフォース抑制システム。

 開幕の地メルボルンはアルバート・パークの周遊道路を使った半公道サーキットで、通常のサーキットとは比べものにならないほどバンピーでダスティ。さらに今年は風が強くてマシンが空力的に不安定になりやすく、コンクリートウォールに囲まれていることもあって、ドライバーたちはフルに攻めることが難しい場所だった。

 フェラーリは冷却面に苦しんでいたため、空力面やパワーユニットのモードで妥協を強いられたことがパフォーマンスを落とした原因ではないかと見られていた。だが、最高速が伸びている反面、特定の中速コーナーで苦しんでいる状況を考えれば、バンプや風の影響による空力的なセンシティブさのせいで本来の力を発揮できなかったのではないか......という見方のほうが、説得力がある。

 いずれの原因にせよ、バーレーンは通常のグランプリサーキットであり、路面はスムーズで風の影響もそれほど受けない。陽が沈んだ午後6時にスタートする予選・決勝では気温は下がり、冷却問題を抱えることもなさそうだ。

 だからこそ今週末のバーレーンGPでは、各チーム・各マシンの実力がメルボルン以上に正確に見えてくるはずだ。

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