ホンダ待望の「スペック3」投入。鈴鹿に向けてロシアGPはどう走る? (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文・撮影 text & photo by Yoneya Mineoki

 シンガポールのサーキットは僕らのマシンに合っていると思っていたけど、実際にはそれほどではなかった。なおかつ、他チームが僕らよりもいい仕事をした。いろんな要素が組み合わさった末の、あの結果だったんだ」(ガスリー)

 空力開発が思うように進んでおらず、最後に投入されたのは第10戦・イギリスGPのフェラーリ風ミラーだ。目玉であった第9戦・オーストリアGPの新型フロントウイングは失敗に終わり、チーム開発陣は方向を修正して、アメリカGPを目処に修正版パッケージの開発を続けている。

 ソチ・アウトドロームは全開率が高く、全開区間も長い。低速の90度コーナーも多く、その点ではシンガポールに似てもいる。

 そういう状況で、トロロッソ・ホンダがスペック3のパワーをきっちりとラップタイムに結びつけられるかどうかは不安が残る。

 いずれにしても、年間3基を超えるペナルティで、2台ともに最後列グリッドからのレースとなることは確実なのだから、今週末は目の前の結果に一喜一憂して変に欲をかくのではなく、今後に向けたデータ収集と検証、ノウハウ蓄積のための週末としなければならない。

 もちろん、スペック3に寄せる期待は大きい。しかし、チームも、ドライバーも、そして見守る側の我々も、そのことをしっかりと肝に銘じてロシアGPに臨まなければならない。

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