モンツァで予選9位は上出来。トロロッソが高速2連戦で見せた成長 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

セッティングが見事にハマり、決勝も期待が高まったが......セッティングが見事にハマり、決勝も期待が高まったが...... 実はQ1、Q2ではなかなかトウを使う戦略がうまくいかず、ガスリーは「次はちゃんとしたタイミングでコースインさせてくれ」と苛立ちを見せていた。

「フリー走行でいろんな(前走車との)ギャップをトライしていて、2秒とか2.5秒とか3秒とか3.5秒とか、どのくらいのギャップだとストレートでこれだけゲインできて、コーナーでこれだけロスするというのをチェックしていたんだ。ただ、最後のランでは、カルロス(・サインツ)の後ろで理想的なギャップを得ることができた。

 あるコーナーでは、ブレーキングでフロントロックしそうになったけど、エイペックスから出口ではなんとかまとめることができた。それはフロントのターニングインなどマシンのレスポンスが、僕の望んだとおりに仕上がっていたからこそできたこと。僕はそういうシャープなマシンが好きだし、今日はそういうマシンに仕上げることができた」

 Q1では8位カルロス・サインツから18位ブレンドン・ハートレイまで、11台がわずか0.2秒のなかにひしめいた。ほんのわずかなタイム差が、大きな順位の差になる。

 そんななかでトロロッソ・ホンダは、ハートレイが1回目のアタックランで3周アタックを行なったために残り時間が乏しく、アウトラップもクールダウンラップもほぼ全力で走った。結果的に終了直前に最後のアタックを間に合わせる状況となり、うまくアタックラップをまとめきれず18位に沈んだ。それに対してガスリーは、余裕を持ってアタックしたことで前走車のトウもうまく使い、0.002秒差でQ3に進んでみせた。

 ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターはこう振り返る。

「初日の出だしに比べて、今日はマシンが格段によくなって『安心してプッシュできるようになった』と、ふたりとも言っていました。基本的にまだまだ改善の余地はあるんですけど、安心して乗れるクルマにはなったというところですね。

 ストレートとコーナーのバランスを見ながらクルマの細かいところをセットアップして、最後に予選でうまくまとめられたのがよかったです。我々の車体とパワーユニットが持つパフォーマンスを、ドライバーとチームが最大限に発揮できた結果だと思います。

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