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モンツァで予選9位は上出来。
トロロッソが高速2連戦で見せた成長 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 ここはトウの影響が大きいサーキットで、Q1ではマシンを送り出すタイミングをうまく掴み切れなかったのですが、Q2とQ3ではうまくいったので、そこが大きく影響したと思います。中団グループは熾烈で、100分の1秒、1000分の1秒の戦いでしたが、ドライバーがうまくまとめてくれました。トウを使えば最高速は10~15km/hは確実に上がりますからね。そこをうまく利用するのは不可欠だと思います」

 決勝では、ガスリーのマシンはフェルナンド・アロンソやダニエル・リカルドと接触。そのダメージで、オーストリアGPと同じようにダウンフォースを失ったマシンはあちこちで挙動を乱して、まともに戦える状況ではなかった。

「クルマは完全に壊れている感じで、あちこちでスライドしまくっていたよ。ダウンフォースのロスを感じたし、左右でダウンフォース量が違うからコーナーの左右でマシンバランスも違うし、すごくトリッキーだった。ただでさえモンツァではダウンフォースが少ないのに、マシンはダメージを負っていて、さらに前走車のスリップストリームに入ると大幅にダウンフォースを失ってしまうわけだから、前のクルマに近づくのはほとんど無理だった。今日は本当に長い、長い1日だったよ」

 ハートレイもスタート直後の集団の混雑のなかで左右を挟まれ、サスペンションを壊してリタイア。2台ともに決勝では本来の力を試すチャンスを得られないまま、レースを終えた。

 しかし、こういったアクシデントに巻き込まれてしまうことも含めて、それが今のトロロッソ・ホンダの実力だといえる。中団グループで他を圧倒して勝ち上がっていく力はなく、中団の大混戦のなかでの戦いを強いられ、ちょっとしたタイム差や運が結果を大きく左右する。

 ハンガリーやバーレーンではできたことが、普通のサーキットではできない。しかし、シーズン序盤のアゼルバイジャンのロングストレートではまったく戦えなかったのが、今ではスパやモンツァの高速サーキットでも中団で戦える。

 結果にはつなげられなかったが、着実に進歩している。トロロッソ・ホンダのそんな姿が見えたスパ、モンツァの高速2連戦だった。

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