イタリア国内で人気回復。
フェラーリは2010年以来の地元Vなるか
いつの時代もモンツァは、熱狂的なティフォージで溢れかえっている。しかし今年は、木曜から例年以上の熱気がヒシヒシと伝わってきた。それも、圧倒的に若い世代が多い。
ここ数年はイタリア国内でもサッカーに押され、イタリアGP存亡の危機に直面するほどF1とフェラーリの人気低迷が叫ばれていた。その最大の要因は、2008年以来タイトルから遠ざかっているフェラーリの低迷だったと言っても過言ではない。フェラーリのピットガレージ前に押しかけるティフォージ しかし、今年は強いフェラーリがモンツァに帰ってきた。パワーサーキットのスパ・フランコルシャンでメルセデスAMGに完勝し、この超高速モンツァへ勝利の可能性を持って凱旋を果たしたのだ。
木曜のピットウォークでは、フェラーリのピットガレージ前が数え切れないほどのティフォージで埋め尽くされ、ドライバーたちが登場すればすさまじい熱狂に包まれた。警備員が総出で必死に柵を押さえて押し戻さなければならなかったほどで、例年にない熱狂ぶりと若者の多さが印象的だった。それだけ、イタリア全土にわたってフェラーリへの熱気が高まっているということだ。
スパ・フランコルシャンで勝利したフェラーリには、スペック3のパワーユニットでも引き続きメルセデスAMGを凌駕したとの見方がなされた。ルイス・ハミルトン自身が負けを認めたのだ。
「フェラーリはとにかく、週末を通して僕たちよりも速かった。彼らのパワーは去年とは比べものにならないくらい優れていて、なんとか抑え込もうとしたけど、ストレートで抜き去られてしまったんだ」
セバスチャン・ベッテルも、パワーで優位に立ったことを認めている。しかし、その差はわずかでしかなく、フェラーリも決してモンツァで独走できるとは考えていない。モンツァに姿を見せたベッテルは、むしろ厳しい表情を見せた。
「パワーで優位に立っているのが、スパでも確認できたことはとてもよかった。この5年間、メルセデスAMGは完全にF1を支配していたし、とくにパワーユニット面が果たした役割は大きかった。その彼らが今や、もうパワーで最強ではないと考えているというのは、僕らにとっても喜ばしいことだ。
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