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イタリア国内で人気回復。
フェラーリは2010年以来の地元Vなるか (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 ずっと苦手にしていた低速コーナーも、スパではメルセデスAMGと同等の速さを見せた。タイヤに優しいぶん、決勝での立ち上がりではメルセデスAMGを凌駕していた。

 その一方で、プーオンのような高速コーナーや、ファーニュのような中速コーナーでは、メルセデスAMGに対してボトムスピードが5km/hほど遅い。つまり、ダウンフォース量と空力効率ではメルセデスAMGにまだ劣っている。

 こうした点を総合して、ハミルトンはスパで負けたからといって、必ずしもモンツァでも負けるとは限らないと見る。

「モンツァでは、僕たちの不利はスパほど大きくはないだろう。僕たちのマシンパッケージがモンツァにはもう少し合ってくれると期待しているよ。スパでは超低速コーナーからのトラクションに苦しんだ。しかし、モンツァは第1シケインを除けば他は高速のシケインなどで、トラクションはそれほど大きな問題にはならない。タイヤマネージメントも彼らは僕とは違い、ほとんど必要に駆られることなく全開で走り続けたけど、モンツァではそれも大きな問題にはならないはずだ」

 果たして、今年のモンツァでフェラーリは悲願の優勝を手にできるだろうか。2010年以来の地元優勝へ、ティフォージの期待は最高潮に高まっている。

 フェラーリを改革し、強くしてきたマルキオンネは、今年7月に還らぬ人となった。彼が切に願った「跳ね馬の復活」を地元イタリアで果たすことが、彼への最大限のはなむけとなる。

「僕たちはイタリアにおいて、もっとも特別なシートに座っている。このクルマに収まるとき、本当に特別な気分になるんだ。そして今年は、日曜に表彰台、そして優勝を目指して戦えることがわかっている。本当にすばらしい気分だよ。マシンをドライブするのが楽しみで仕方ない。僕らはこれまで、ここで何度もいいレースを見せてきたし、表彰台にも上ってきたけど、今年僕たちがほしいのは表彰台以上の結果だ。僕はここで、フェラーリのマシンで勝ちたいんだ」(ベッテル)

 超満員に膨れ上がった大観衆がチェッカードフラッグと同時になだれ込むメインストレート上、その天高くにそびえるモンツァの表彰台――。その中央に立つのは、果たして誰だろうか。

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