佐藤琢磨は望み薄。インディカー年間王者争いはディクソンが1歩リード (2ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 スタートから、ディクソンがその背後にピタリとつけ、プレッシャーをかけ続けたのが効いたようだ。ニューガーデンはリスタートでパスされるのを嫌い、少々焦り気味にアクセルオン。走行ラインがわずかにワイドになってタイヤ滓(かす)を拾い、コントロールを失った。
 
 ただし、これでタイトル争いからも脱落......とはならないのがニューガーデンのしぶとさであり、幸運なところだ。かなりの痛手を負ってもおかしくないミスを犯したというのに、サスペンションへのダメージは小さく、粘り強くゴール。ライバル勢のミスもあって9位をキープすることができた。 

 残されたレースは、テクニカルなロードコースのミッド・オハイオ、スーパースピードウェイのポコノ、ショートオーバルのゲートウェイ、復活開催となったフラットで高速のロードコース、ポートランド、そして最終戦はアップ&ダウンが激しいロードコースのソノマとなる。

 若いニューガーデンとしては、昨年のようにシーズン終盤戦に複数の優勝を飾り、大逆転を実現したいところ。対するディクソンは、優勝を狙いながらも、勝てないレースでもクレバーに戦って確実に上位フィニッシュし、ポイントを伸ばす戦いを見せるだろう。ダブルポイントの最終戦ソノマは、ディクソンも得意(過去3勝)だが、ニューガーデンを走らせるチーム・ペンスキーも毎年のように強い。昨年のウィナーはシモン・パジェノーで、ニューガーデンは2位だった。

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