2018.07.21

失敗続きのトロロッソ・ホンダ。
全開率65%の難コースを攻略できるか

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 前戦イギリスGPで飛び出したピエール・ガスリーのホンダ批判は、ファンの間でさまざまな議論を呼んだ。その騒動を、ホンダの人たちはどのような心境で見ていたのだろうか。

 シルバーストンで田辺豊治テクニカルディレクターは、「予選パッケージの作り方と我々の出力を上げていくしかありません」とセットアップの問題点を示唆しながらも、真摯にドライバーの苛立ちを受け止めていた。だが、あらためてその心境を聞くと、サバサバとした答えが返ってきた。

ガスリーのホンダ批判発言は大きな波紋を呼んだ「『0.9秒』ですか? この前、お話ししたとおりです。それは事実なんで」

 田辺テクニカルディレクターの言う「事実」とは、全開区間で0.9秒失い、コーナリングで0.4秒を取り返し、ラップタイムで0.5秒遅れまで盛り返していたのは事実だということだ。

 ただし、それはチームとして、「あえてそういうセットアップにしていた」ということだ。ダウンフォースを削れば、ストレートはいくらだって速く走ることができる。しかし、それではコーナーを速く走ることができないから、最高速を追求するよりもコーナーで稼ぐマシンに仕上げただけだ。

 言い換えれば、「コーナーで0.4秒を稼ぐためにストレートで0.9秒の犠牲を払った」ともいえる。

 もちろん、もっとパワーがあればその分だけストレートは速くなっただろうが、そうだったとしても、「ストレートで0.9秒」の部分だけを抜き出すのは、あまりに理不尽すぎた。

 チーム内でもガスリーの発言は問題視され、ガスリーも含めてミーティングできちんとコンセンサスを取ったという。

「チームのミーティングで彼も入って話をしたのですが、ラップタイムの取り方に対してコンセプト(考え方)が違うよね、という話になりました。その(ストレートという)1点だけを取り出して0.9秒と言っても意味がなくて、1周全体として速く走るためにそういうセッティングにしていたということですから」