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失敗続きのトロロッソ・ホンダ。
全開率65%の難コースを攻略できるか (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 そのため、トロロッソ・ホンダ自身がガスリー発言に端を発した騒動に浮き足立っているところはなく、チーム内は落ち着いているという。つまり、ガスリー発言は間違いではないが、あのような表現をすべきではなかった、ということだ。

 一方、チームはあらためて自分たちのパフォーマンス不足を見つめ直し、危機感を持っている。

「フェラーリユーザーがとくに予選でパフォーマンスを上げてきているのは明らかですから、その点はチームとしても我々としても真摯に受け止めています」

 イギリスGPでのSTR13は、低速コーナーからの出口でトラクションが不足し、ドライバーがスロットルペダルを踏めないという問題も抱えていた。それが最高速不足に大きな影響を及ぼすことになった。

「踏み始めが遅くなるし、踏み始めのスピードも遅いから、ストレート全体にわたってその差を引きずります。そうすると、全部(の区間で速度差に)効いてきてしまうんです」

 結論から言えば、イギリスGPのセットアップの方向性は失敗だったとチームは認識している。レース後の分析で、その結論に達しているという。

 そして今週末のドイツGPの舞台となるホッケンハイムリンクも、セットアップの妥協点が難しいサーキットである。トロロッソ・ホンダはその課題をいかに解決できたかが問われることになりそうだ。

 全開率は前回開催の2016年の時点で、すでに60%に達していた。マシン性能が大幅に向上した今のF1ならば、ターン1はかなり高速になり、スタジアムセクション入口のターン12はほぼ全開、メルセデスアリーナからのターン9~10は全開になるため、全開率は65%を超えるのではないかと見られている。

 そのため、パワーがラップタイムに与える影響は全21戦のなかでも6番目と高く、非力なホンダ製パワーユニットを積むトロロッソとしては、セットアップが難しいところだ。

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