2018.06.19

ロレンソ、破竹の2連勝。
来季獲得のホンダは「いい買い物」をした?

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 2戦連続でホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ・チーム)が優勝を飾った。前戦の第6戦・イタリアGPでドゥカティ移籍以来初めての勝利を挙げたロレンソは、今回の第7戦・カタルーニャGPでも前戦同様に、終始一貫したハイペースで後続をぐいぐい引き離すという得意の勝ちパターンで連勝を達成してみせた。

かつての圧倒的な速さを取り戻して2連勝したホルヘ・ロレンソ 前戦の優勝後には、「形状違いの燃料タンクを投入したことで、バイクを押さえ込む疲労感がなくなり、レース終盤まで体力を温存できるようになった」と話していたが、その効果は今回もてきめんにあらわれて、自分の持ち味を存分に発揮した格好だ。

 第5戦までの苦戦傾向がウソのようなここ2戦の高パフォーマンスだが、来季からのファクトリー契約更改がないことはシーズンの早い段階でほぼ明らかになっており、第6戦の優勝後には「別のバイクで走ることになる」と話してドゥカティ離脱を明らかにしていた。

 その時点では、パドック内のほとんど全員がロレンソはヤマハの新サテライトチームに移籍するものと推測していた。だが、レースから3日後の水曜に、レプソル・ホンダ・チームと2年契約を交わしたことを発表。ロレンソとホンダはおよそ接点がない組み合わせと皆が考えていただけに、このニュースは文字どおり世界中を驚かせた。

 ヤマハのファクトリーチームで9年間走ってきたロレンソは、旋回性能に優れたヤマハYZR-M1のマシン特性を最大限に引き出せるライディングスタイルで、最高峰クラス3回のチャンピオンを獲得した(2010年、2012年、2015年)。一方、昨年から乗ることになったドゥカティ・デスモセディチは、卓越した動力性能を備えながら旋回性を常に課題としてきたマシンだ。そのために、コーナリングスピードを稼ぐロレンソのライディングスタイルとは合わないという見方が移籍初年度から大勢を占め、ロレンソ自身もバイクの特性にあった乗り方を探る試行錯誤が続いた。