2018.06.01

佐藤琢磨もハマって追突ドカン。
今年のインディ500は乱気流地獄に

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 今年のインディでは、予選の大失敗で32番手スタートながら、最後にはトップグループに食い込み、リスタートからの1周で5台をパスするシーンもあった。ただ、そうしたアグレッシブな走りでタイヤを消耗させ、優勝争いに絡むところまでは到達できなかった。

 ロッシの走りとは対照的に、ベテランでも空気の流れを予測し切れず、突然マシンがグリップを失ってスピン、クラッシュするケースが続出した。昨年のウィナー、佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)も、遅い周回遅れを抜く際に挙動を乱し、に追突してレースを終えている。

 また、セバスチャン・ブルデー(デイル・コイン・レーシング・ウィズ・バッサー・サリバン)、トニー・カナーン(AJ・フォイト・レーシング)、カストロネベスといった、経験も実績もあるドライバーが次々と単独でクラッシュした。コーナーの真ん中から出口で突然マシンのリヤが不安定になり、彼らをもってしてもスピンを食い止められずにウォールに激突。パトリックも同じパターンでキャリア最後のレースを終えた。

 パワーがレースの主導権を握ったのは意外に早く、200周のレースの折り返し点ちょっと手前だった。マシンの仕上がりがよく、チーム・ペンスキーのクルーたちによる迅速なピット作業もあり、トップに躍り出て、ジワジワとカーペンターたちとの差を広げていった。

 先頭の数台にしか勝つチャンスはないと判明し、レース後半になるとギャンブルに出るチームが続出。ピットタイミングをずらしてアドバンテージを得ようとするのはもちろん、燃費セーブに活路を見出そうするチームも多く現れた。