2018.06.05

ロレンソ、遅すぎたドゥカティ初優勝。
「来年、僕は別のバイクに…」

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 流れるようなスムーズさで誰よりも高水準のラップタイムを刻み続け、後続を着々と引き離してゆく。そんな自らの持ち味を存分に活かした走りで、ホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ・チーム)が2017年のドゥカティ移籍後初勝利を第6戦・イタリアGPというチームの地元、しかもホームコースのムジェロ・サーキットで達成した。

ドゥカティの地元イタリアで1年半ぶりに優勝したホルヘ・ロレンソ チームメイトのアンドレア・ドヴィツィオーゾが2位でゴールし、ドゥカティにとってホームGPで1-2フィニッシュの快挙。また、ロレンソ自身にとってはヤマハ時代最後のレースとなった2016年最終戦のバレンシアGP以来という、記念すべき1年半ぶりの優勝になった。

 ヤマハ時代でも、ドゥカティ移籍後でも、ロレンソのロレンソらしい勝ち方には何ひとつ変わりがなかった。全23周のレースを2番グリッドからスタートしてホールショットを奪うと、以後は誰にも前を奪われることなく、最後まで一貫してトップを走り続けた。

 ラップタイムを見ても、序盤に1分48秒1から48秒2を刻み続け、レース後半でも48秒台中盤を淡々と維持し続けた。2番手のドヴィツィオーゾがレース後半に49秒台へ落とし、3位のバレンティーノ・ロッシ(モビスター・ヤマハ MotoGP)は中盤ですでに48秒台を維持できずに49秒台へ落としていたことと比較すれば、この安定感の高さはさらに際だって見える。

 ロレンソがペースを1分49秒台へ下げたのは、ラスト3周の21周目。後続に対してすでに6秒以上の差を開き、レースを完璧にコントロールする状態に持ち込んでからのことにすぎない。

 今回のレースでここまで圧倒的なレース展開を進めることができたのは、1年半の紆余曲折を経て、ドゥカティのデスモセディチGPがようやく彼の扱いやすいマシンに仕上がってきた、という効果が大きい。

 前回のフランスGPでも序盤にはトップを走行したものの、やがてずるずると順位を下げ、最後は6位で終えた。レース後にロレンソは意気消沈した表情で、「燃料タンクの形状が自分に合わず、体力的な消耗が大きかった。十分なフィジカルトレーニングを続けて筋力も向上しているが、今のバイクではハードブレーキングの際に十分に支えきることができず、特に腕の疲労が激しくなる」と話していた。