2018.05.16

悔しいぞ、トロロッソ・ホンダ。
弱点を改善、マシンは最高だったが…

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「クルマには何も触らないでくれ、最高のマシンバランスなんだ!」

 スペインGPのスターティンググリッドにマシンを運んだピエール・ガスリーは、レースエンジニアにそう言った。ピットガレージからスタート練習をしてグリッドへ向かうわずか3周の走行で、ガスリーはあのバーレーンGP以上の感触のよさを感じ取っていたのだ。

アクシデントに巻き込まれて1周目でレースを終えたトロロッソ・ホンダ「グリッドに向かうラップでは、クルマのフィーリングがものすごくよかったんだ。あんなによかったのは今シーズン初めてだよ。何も文句はなかったし、バーレーンのときよりもよかった。だから、すごく期待感も興奮も高かったんだ」

 通常ならここでフラップの角度調整など最後のファインチューニングを行なうところだが、ガスリーはそのままのマシンでレースへと出て行った。12番グリッドから新品のソフトタイヤを履いて、1ストップ作戦でトップ10圏内に駒を進めるのは決して難しいことではなかったはずだ。

 しかし、1周目にスピンしたロマン・グロージャンに巻き込まれてクラッシュ。バーレーンGPの再現が期待されたレースは、コーナーわずか3つで終わってしまった。

「ロマンがターン3のアウト側にいて、イン側にスペースがあるのが見えたから、できるだけ早くインに切り込んですり抜けようとしたんだ。それなのに彼が突然、インに向きを変えてきて僕に突っ込んできたんだ。スピンしてコースオフしたのに、コースに戻ってきたんだ。そんなことは予測できないよ。

 彼は完全にマシンがスライドしていたし、あんなに白煙を上げていたら何も見えない。ぶつかる直前に彼がそこに止まっているのが見えて、僕にはもうどこにも行き場はなかったんだ。だから、ぶつかる瞬間はステアリングから手を離そうとしたけど、本当に大きな衝撃だったよ」

 残るブレンドン・ハートレイは土曜フリー走行の大きなクラッシュで予選不出走となり、最後尾グリッドからのレース。本来のペースは悪くなかったが、ストレートでウイリアムズやザウバーを抜くのに苦労し、彼らに付き合わされてしまった結果、12位に終わった。