最速美女ドライバー「愛ちゃん」は、マカオGPを目指してF3を戦う (3ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 だからあきらめずに、何度も社長のところへ企画書を持って直談判にいきました。そうしたら、最後は社長も折れてくれて、F3に参戦できることになりました」

 そんななかで迎えたF3開幕戦の鈴鹿大会。三浦は第1戦でいきなりクラス3位に入ると、第2戦ではレース序盤からトップに浮上する。そして追いかけてくるライバルを振り切り、見事クラス優勝を飾った。F3-Nで女性ドライバーが優勝したのは、過去に例のない快挙。彼女の「結果を出したい」という強い想いと、ここまで積み上げてきたスキルが存分に発揮された瞬間だった。

「初年度でのEXEDYからの条件は、年間でひとつでも表彰台に乗ることでした。それがいきなり第1戦で達成できて、肩の荷が降りたところで第2戦を迎えられたのがよかったです。

 チェッカーフラッグを受けた瞬間は、コックピットのなかで叫んでいました。私にとってもレースキャリアのなかで初めての優勝だったので、忘れられない瞬間でした。

 あと、この優勝でメディアにもたくさん取り上げられたので、社内の(私への)見方もすごく変わって、レースがしやすくなりましたね(笑)」

 翌2015年はシーズン3勝を挙げ、F3-Nのクラスでランキング2位を獲得。そしてついに、三浦は2016年から全日本選手権のタイトルで争われるCクラス(※)に挑戦することになった。

※全日本F3選手権Cクラス=F1から数えて3番目に位置するフォーミュラカーのカテゴリー。日本国内を舞台にして開催している全日本選手権は30年以上の歴史を持つ。現在はヨーロッパやイギリスなどでも同じ規則の車両でF3のレースが開催されている。毎年11月後半に中国・マカオで行なわれる「マカオF3グランプリ」はF3の年間世界一が決まるレースとして有名。

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