2018.04.04

ホンダ、ショック! 開幕戦5位の
マクラーレンは本当に速くなったのか

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「僕らは戦える。次のターゲットはレッドブルだ」

 開幕戦オーストラリアGPを5位でフィニッシュしたフェルナンド・アロンソは、そう言い切ってみせた。世界各国のテレビカメラに向けて、何度も何度もその言葉を繰り返した。

新生マクラーレンは開幕戦で5位・9位のダブル入賞を果たした しかし、メルボルンでレッドブルのマックス・フェルスタッペンを抑え切ったからといって、それがすぐに果たせる目標でないことは、アロンソ自身が一番よくわかっている。同じパワーユニットを積むレッドブルとのマシン性能差をコース上でもっとも肌身で感じ取っていたのは、彼だからだ。

「もちろん、いくつかのラッキーに恵まれたのも事実だよ。ハースの2台がリタイアし、カルロス(・サインツ)はターン9で問題を抱えてコースオフし、セーフティカーのおかげでフェルスタッペンをかわした(実際にはニコ・ヒュルケンベルグも)。ポジションの4~5つは、今日の状況が味方してくれて手にしたものだ」

 5位でフィニッシュしたものの、波乱がなければマクラーレンの2台は9位・11位でフィニッシュするのがやっとだった。

 アロンソが語るように、マクラーレンが5位・9位という結果を手にすることができたのは、5つの幸運に恵まれたからだ。

 まずひとつめの幸運は、予選から始まっていた。11位・12位でQ2敗退したことにより、新品タイヤを決勝用に選ぶことができた。つまり、Q3に進んだ前走車たちよりも3周新しいタイヤで第1スティントを走ることができたのだ。

 ふたつめの幸運は、ピレリが持ち込んだタイヤがコンサバティブでデグラデーション(性能低下)が少なかったこと。普段のレースならいかにライバルより先にピットインし、新品タイヤの威力で"アンダーカット"を仕掛けるかの勝負になるが、今回はウルトラソフトで走り続けることで逆転する"オーバーカット"も可能な状況だった。だから、ライバルより3周新しいタイヤでスタートしたマクラーレン勢は迷うことなく、ステイアウト(※)を選ぶことができたのだ。

※ステイアウト=ピットストップを行なわずコース上にとどまり、そのまま走行を続けること。