2018.02.06

室屋義秀、エアレース開幕戦2位を
「戦略通り」と言える2連覇プラン

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Joerg Mitter / Red Bull Content Pool

 レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップの2018年シーズン開幕戦がUAE・アブダビで行なわれ、昨季の年間総合王者、室屋義秀は2位となった。

エアレース年間総合2連覇へ好スタートを切った室屋義秀  過去に2年連続でオーバーG(規定の重力加速度を超える反則)による敗退を味わうなど、とても相性がいいとは言えなかったアブダビでの開幕戦で、ディフェンディング・チャンピオンは上々のスタートを切った。表彰式後の室屋が語る。

「(優勝と3位はあったが)2位は今まで取ったことがなかった。それを狙ったわけではないが、戦略通りに飛んで2位なので満足している」

 優勝には届かなかったにもかかわらず、室屋が満足だと言えるのは、まさに「戦略通り」のレース運びができたからだ。

 今季の室屋、というより、チーム・ファルケンは、すべてのレースで安定して上位に入ることを目標に掲げている。必ずしも1戦ごとの優勝にこだわる必要はなく、確実にポイントを重ねていこうというのである。

 フィギュアスケートや体操などの採点競技に例えれば、無理に難度の高い技を入れ、ミスの危険を抱えるくらいなら、成功率の高い安定して得点が稼げる技で演技構成を組む。それが今季の戦略だ。当然、ライバルたちがより難度の高い技に(ときに無茶を覚悟で)挑み、成功させれば上回られてしまう可能性はあるが、年間全8戦でコンスタントに結果を残して連覇を目指そうと思ったとき、確実性を優先することこそがその近道というわけだ。

 果たして今季開幕戦での室屋は、憎らしいほどにステディなフライトを続けた。予選からファイナル4まで一度もペナルティを犯すことはなく、全14パイロット中でただひとり、すべてのラウンドで53秒台のタイムを残した。今の室屋は、いわば技の難度を落とした演技構成で臨んでも上位につけられる状態にある。