思い出のモンツァでベッテルが熱く語る、幼少期からのフェラーリ愛 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 メルセデスAMGやマクラーレン・メルセデスでフェラーリを打ち負かしてきたルイス・ハミルトンは言う。

「モンツァのファンは本当にすばらしい。かつて僕はここで『ヒール役』だったけど、今ではイタリアのファンの人たちも毎年温かく迎えてくれる。少なくともその半数以上がフェラーリのファンだと思うけど、それでもすばらしいね」

 レーシングドライバーなら、誰もが一度はフェラーリのマシンを駆ってグランプリを戦ってみたいと思うものだ。どんなドライバーでも、その思いを隠そうとはしない。

 特にベッテルにとっては、格別の思いがあった。幼少期に憧れのスターであった「母国の英雄」ミハエル・シューマッハが黄金期をともに戦ったチームだったからだ。ベッテルのレースナンバー「5」は、シューマッハが初めて王座を獲得した年につけていたカーナンバーにちなんだものでもある。

「子どものころにF1を見ていた記憶の大半はミハエル・シューマッハだ。もちろん、フェラーリのね。彼への強い憧れとともに、彼が走るチームにも憧れていた。おもちゃのクルマで遊んでいるときも、なぜか自然と勝たせるのは赤いクルマだった。そして今、自分がそのチームで走っているんだ。いつだってあの憧れのフェラーリのガレージに立つことができる。こんなにすばらしいことはないよ」

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