2016.07.06

ホンダも驚くバトン6位入賞。
「上位で戦うレースは楽しいものだ」

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 オーストリアGP決勝前、ジェンソン・バトンはレッドブル・リンクの3番グリッドにマシンを止めた。2015年に参戦を開始したマクラーレン・ホンダにとっては過去最高位。目の前のポールポジションには、メルセデスAMGのルイス・ハミルトン。いやが上にも期待は高まった。

ジェンソン・バトンは今季最高位の3番グリッドからスタートした「1周目はハミルトンを抜いてトップで帰ってくる可能性もあるのでは?」

 そう言って盛り上がるイギリスメディアとは対照的に、バトン自身は冷静だった。その3番グリッドは実力で手に入れたものではなく、むしろスタートからあっという間に上位勢に抜き去られてしまうだろうと思っていたからだ。

 雨まじりの予選で路面が刻々と乾いていくなか、バトンはセッション終了の数秒前という絶妙のタイミングで最後のアタックに突入し、5番手タイムを記録してみせた。

「そりゃ、アタックを終えて5位だと言われたときには興奮したよ。その順位を聞くと、もっと攻めていれば3位くらいいけたかもって思ったけどね。でも、この結果はコンディションのおかげだし、明日はこのポジションのままフィニッシュできるなんて思っていない。今年のレースを見れば、そんなのわかるよね?」

 さらに上位勢のギアボックス交換によるグリッド降格で、バトンは3番グリッドに繰り上がった。それでも決勝に向けて、楽観視はできなかった。周りの上位チームに比べれば、タイヤのデグラデーション(性能低下)と最高速不足という大きなハンディを抱えているのは明らかだったからだ。