2016.07.13

アロンソ爆発寸前。マクラーレンの消極策と
「小学生レベルのミス」

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「2台同時じゃなくて、どちらか1台だけピットインさせるべきだった。2台で同じ戦略で戦ってもしょうがないじゃないか」

 イギリスGPの決勝中盤、フェルナンド・アロンソが無線で不満を述べた。

フェルナンド・アロンソは入賞圏内で争えないままレースを終えた 歯に衣着せぬ無線での物言いがテレビ放送で派手に取り上げられることも多いアロンソだが、実は普段はほとんど無線で話すことはない。「僕はドライ ビングに集中したいから、無線で話すのは好きじゃないし、エンジニアから話しかけるのも最小限にしてもらっている」と言うアロンソが、これだけ無線で意思 表示をするのは、相当腹に据えかねていたからだ。

 決勝スタート直前にたった5分間だけ襲来した豪雨で水浸しになった路面が徐々に乾いていき、各車はウエットタイヤからインターミディエイト(浅溝)、そしてドライタイヤへと交換していくなかで、マクラーレン・ホンダは2台同時にピットへ呼び寄せ、アロンソの後にいたバトンは数秒の待ち時間が生じ、ポジションを落としてしまった。

 ただしアロンソは、結果論で戦略ミスを責めているのではなかった。

「僕らはチャンピオン争いをしているわけではないんだから、失うものはない。ポジションを大きく上げるために1周早くピットインするとか、もう1周引っ張ると か、そういう(ギャンブル的な)ことをしてもよかったはずだ。だけど僕らは、そういう反応が遅い。こういうコンディションのときは、1周の差でコース上に留まりきれずクラッシュしたり、(大きくポジションを上げて)ヒーローになれるかすべてを失うかの境目は非常に小さいものだ」