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異例のMotoGP「玉突き移籍」で
貧乏クジを引いたライダーは? (5ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira  竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 一連の発表ごとを知ったエスパルガロは木曜の午後、ファクトリーがイアンノーネを獲得したことに歓迎の旨を述べながらも、「自分はスズキにとってもうちょっと価値のあるライダーだと思っていたから、少し寂しいね」と、正直な思いを明かした。

「こんなに早く事態が動くとは思わなかったから、まだ何も(来季に向けた)交渉はしていないんだ。2年間バイクを開発してきたのだから、もう少し僕は大切に扱われているものだと思っていたよ」

 自分が蚊帳の外に置かれたことに釈然としない思いを抱えていることは、彼の表情と口ぶりにはっきりと表れていた。

「(スズキファクトリーの残る1シートの可能性については)まったくわからない。自分にできるのは、コース上でよい走りをすることだけ。僕はスズキ残留を希望しているから、マネージャーにも他と話をしなくてもいい、と言っていたんだ。でも、こういう状況になったからには、こちらも戦略を変更しなければならないだろうね」

 そしてレースウィークが始まり、土曜の予選でエスパルガロはポールポジションと0.682秒差の2列目6番グリッドを獲得した。

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