2016.06.01

ダブル入賞にだまされるな。
モナコで露呈したホンダの厳しい現実

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 78周のモナコGPが終わると、コースを取り囲むハーバーに停泊する無数のクルーザーが一斉に警笛を鳴らす――。伝統の一戦を戦い抜いたドライバーたちに、敬意を表するためだ。

 しかし、マクラーレン・ホンダのドライバーたちは、5位と9位というダブル入賞を果たしたにもかかわらず、華やかなモナコには不釣り合いなほど厳しい表情をしていた。

伝統のモナコGPでダブル入賞を果たしたマクラーレン・ホンダ「5位という結果が得られたのはよかったよ。でも、レース週末全体を見渡せば、僕らの速さは十分じゃなかった。モナコは特殊なサーキットなんだ。だから、この結果からマシン性能がどうとかいうのを深読みしすぎないほうがいいと思う」

 フェルナンド・アロンソがそう語れば、ピットアウトしたところにマノーのマシンがいて抑え込まれ、ポジションアップのチャンスをみすみす逃してしまったジェンソン・バトンは、さらに厳しい言葉で続けた。

「パフォーマンスや戦略という点では厳しかった。もし、ドライのレースだったら、簡単に2台入賞はできなかっただろう。今回のポイントというのは、僕らがコンペティティブ(競争力がある状態)だから得られたものではなく、戦略上の判断をうまくやり、最後までノートラブルで走り切ったから得られたものなんだ。ドライでの本来のペースは、そんなによくなかった。カナダGPでも2台揃ってこれ以上のポジションでポイントが獲れるとは思っていないよ」