異例のMotoGP「玉突き移籍」で貧乏クジを引いたライダーは?

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira  竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 2016年は、各ファクトリーチームの主力ライダーたちが、軒並み契約更改の節目を迎える――。そのため、今年の移籍情報は賑やかになるだろうと開幕前から予測されていたが、第6戦・イタリアGPを前に、有力どころの去就はほぼすべて決定した。

来季からヤマハで走ることになったマーベリック・ビニャーレス来季からヤマハで走ることになったマーベリック・ビニャーレス 2月のプレシーズンテスト時に「開幕後レースを数戦走ってみて、自分がどの程度のレベルで戦えるのかを見極めてから、来季以降の判断をしたい」と話していたバレンティーノ・ロッシがヤマハと2017年-2018年の2年更改を早々と発表したのが、3月末の開幕戦・カタールGP。続いて、MotoGPに昇格した2008年以来ずっとヤマハファクトリーで戦ってきたホルヘ・ロレンソが、2017年と2018年の2年契約でドゥカティに移ると明らかにしたのは、4月のスペインGP直前だった。

 例年なら、移籍情報が本格化するのはたいてい6月下旬のオランダGPあたりで、夏休みを挟んで8月半ばのチェコGPを過ぎたころから「三々五々」といった格好で、徐々に各選手と陣営から契約関連情報が発表されるのが通常の流れだ。そのような過去の例と比較すれば、開幕直後から移籍や残留が続々と発表される今年は、異常なほどの早さで事態が推移しているといっていいだろう。

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