インディ第2戦はシボレー勢が上位独占。ホンダは巻き返せるのか (2ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano  松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 また、フェニックスでは予選まででホンダ勢3人がクラッシュしたが、それはホンダのエアロキットに原因があったようだ。マシンの前後ダウンフォースをバランスさせるのが難しく、コーナリングに入ったところで突如としてリアタイヤのグリップが低下。佐藤琢磨(AJ・フォイト・レーシング)、ジェームズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)、カルロス・ムニョス(アンドレッティ・オートスポート)が、ターン1のほぼ同じ場所で、ほぼ同じようなハードなクラッシュを演じた。

 最初にアクシデントを起こしたのは琢磨だった。2月にテストを行なっていることもあり、予選前には1回しかプラクティスが予定されていなかった。週末に使用できるタイヤのセット数にも限りがある。そうした状況下だけに、セッションの最初に予選のシミュレーションを行なうのはセオリーとなっていた。2月のテストで充分に走り込んでいたチームは、ダウンフォース量を小さくした、つまりはドライビングがシビアな予選用セッティングをチェックすることから始めたのだった。

 しかし、テスト時よりも一歩進化させていたはずのマシン・セッティングが間違っていた。ショートオーバルでの走りには自信を持っている琢磨だったが、シミュレーション上でのアタック1ラップ目、ターン1へと飛び込んだ直後、スパーンッとリアが流れた。バンクをスピンしながら駆け上がったマシンはリアから壁に激突。ドライバーが反応してコントロールをすることなど一切不可能な、唐突かつ大きなマシンの挙動だった。ダメージはリア・ウイング、ギアボックス、ホイールガード、サイドポッド、そしてエンジンにまで及んだ。

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