汚名返上の2016年、ホンダは本当に勝つことができるのか? (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 フェラーリは今季以上にメルセデスAMGとの差を縮め、逆転することを期している。また、フェラーリ製PUを積むザウバーは財政状況が好転しつつあり、着実に入賞圏に飛び込んでくるシーズン序盤だけでなく、シーズン中の開発が継続できれば1年を通して手強い存在になるだろう。新規参入のハースでさえ、その実体はほぼフェラーリの第2チームであり、初年度から中団グループで競争力を発揮すると見られている。

 ロータスを買収してフルワークス復帰初年度となるルノーは、チーム再建中のために多くを期待できないが、2年間苦しんできたPUの面ではかつてメルセデスのV10エンジン開発を担ったイルモアと提携し、体制を強化している。PUの改良が果たされれば、レッドブルもその恩恵にあずかることになるだろう。

 トップから1~1.5秒差にひしめく中団グループは、今年以上に混戦になる。そんななかで、マクラーレン・ホンダはどこまで戦えるのか?

 もちろん、ホンダのエンジニアたちは勝利を目指して戦っている。しかし、技術者としてライバルたちとの差を正確に把握し、自分たちが来季どこまで詰め寄っていけるのかも、現実的に理解している。

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