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観客動員数9万超。今、スーパーGTが盛り上がっているワケ (4ページ目)

  • 川原田剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi 村上庄吾●撮影 photo by Murakami Shogo

 富士の第4戦で2位表彰台を獲得した三笠雄一(B-MAX RACING TEAM)は、大学を卒業したばかりの22歳。安定した就職か、ドライバーの道を進むか迷ったこともあったが、今年のF4参戦をきっかけにレース一本で生きていくことを決めたという。

F4に参戦している、三笠雄一(左)、坪井翔(中央)、山田遼(右)。F4に参戦している、三笠雄一(左)、坪井翔(中央)、山田遼(右)。「夢はF1ですが、まずはプロとしてレースで食べていきたい。でも、それだけではつまらないですよね。速いだけでなく目立ちたい。今モータースポーツはメディアにあまり取り上げられていないですが、いつかはレーサーといえば三笠雄一だよねと言われたいですし、レースをもう一度メジャーなスポーツにしたいんです。その夢を実現するためには勝って上のカテゴリーに絶対に行きます!」

 この春、高校を卒業したばかりの19歳の山田遼(美人&DRP AKIBA FTRS)は、富士ではトラブルもあり結果を出せなかったが、「夢はF1でチャンピオン」と澄んだ目で語っていた。

「現在のF1を見ればわかりますが、レースの世界は速さだけでなく、交渉力や資金集めも重要です。これまで僕の周りでも、速さはあったけどマシンに乗れないという人はたくさんいました。それでも結果を出さないと何も始まりません。まずはF4でチャンピオンになってF3にステップアップし、自ら結果を出して道を切り開いていくしかないと思っています」

 若いドライバーたちのドライビングは荒削りでミスも多いが、ひとつでも前の順位を目指してひたすら攻め続ける走りは、レースのルールを知らない人でも理屈なしに面白い。この中から将来の日本、もしかしたら世界のレース界を背負うドライバーが出てくるかもしれない。スーパーGTのサーキットに足を運んだ際は、ぜひ一度、彼らの激しく、熱い戦いも見てほしい。

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