2015.04.17

小林可夢偉が語る「F1と日本のスーパーフォーミュラの違い」

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

小林可夢偉インタビュー 後編
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 2015年、F1のシートを失った小林可夢偉は日本のスーパーフォーミュラ(SF※)に参戦することを決めた。
※全日本選手権スーパーフォーミュラ。フォーミュラ・ニッポンを引き継ぐ形で2013年にスタート。日本国内最上位の自動車レースカテゴリー。昨年の王者である中島一貴ら元F1ドライバーも参戦中。

 2009年に飛び込んだF1の世界で、トヨタ撤退後も可夢偉は独力で生き抜いてきた。昨年はケータハムで苦渋のシーズンを過ごしはしたが、ザウバーで3位表彰台を獲得する(2012年鈴鹿での日本GP)など、その速さと思い切りの良い走りはF1でも認められていた。

今シーズン、小林可夢偉はスーパーフォーミュラにチームルマンから参戦する 戦い慣れたF1を去り、12年ぶりに日本復帰。そこには単純な「速い・遅い」を超えた次元の難しさがある。そして可夢偉自身、「F1をあきらめたくない」という気持ちと「国内のモータースポーツを盛り上げたい」という気持ちの狭間で、最後まで揺れ動き続けた。レースの世界から遠ざかることさえ、選択肢のひとつだった。それでもSF参戦へと可夢偉を突き動かしたものは何だったのだろう。

「やらなかったら一生後悔するやろな、と思ったんです。ここでレースをやめたりすると、それはズルい気がして……」

 そう考えた可夢偉は今季、日本に戻ってくることを選んだ。他のドライバーたちを圧倒する速さで独走勝利を連発する――ファンが期待するのは、そうした豪快なレースだろう。

 しかし、可夢偉は言う。

「そんな甘いもんじゃないですよ。そんな夢みたいなことを考えてもしょうがない」